JAPAN e-Portfolio運用不許可に関わる見解

                                                   2020年8月7日

 各  位

                                         一般社団法人教育情報管理機構

                                              会長 山 崎 光 悦

 

JAPAN e-Portfolio運用不許可に関わる見解

 

 2020年8月7日付 文部科学省高等教育局長通知『「JAPAN e-Portfolio」運営許可に係る審査結果(通知)』において、弊機構による「JAPAN e-Portfolio」の運営不許可の通知を文部科学省より受領致しました。通知にしたがい、一般社団法人教育情報管理機構による「JAPAN e-Portfolio」の運営を終えることとなりました。2014年12月22日に行われた文部科学省の中央教育審議会において、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」答申がなされ、高大接続改革を実現するためには、高等学校教育と大学教育の接続面である大学入学者選抜において、「学力の3要素」を多面的・総合的に評価することの必要性が示されました。そのための実践的で具体的な評価手法を構築し、その成果を全国の大学に普及することにより、各大学の入学者選抜の改革を推進することを目的に2016年度より文部科学省大学入学者選抜改革推進事業が実施され調査・研究が行われました。

 

 高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」(以下、JAPAN e-Portfolio)は、この文部科学省の委託事業により開発され、当初の目標を大きく上回る参画大学数、利用生徒数を集め、実証事業として大きな成果を納めました。2018年の年末に、この事業の成果を活かし、実用に供するための団体の設立を文部科学省より要請され、極めて短期間ではありましたが、国公私立大学学長有志が協力し、2019年4月1日に一般社団法人を設立することとなりました。一般社団法人としたのは、高校生の個人情報を取扱うことから文部科学省より非営利団体での運営が求められたためであり、他方、2021年4月以降、公益性のある機関によって運用が想定されていたため、それまでの繋ぎの役割を果たすためでした。

 

 しかしながら、文部科学省が今回の運営不許可に至った経緯として示しているように、一般社団法人の設立を決定した直後の2019年1月に、文部科学省から委託事業からの事業承継は認められないとの連絡を受けました。そのため参画大学113大学、利用生徒数20万人(委託事業終了時の2019年3月末段階)からのスタートではなく、ゼロからのスタートとなりました。このことが、利用料収入が当初の見込みから大幅に減少し、社団法人が債務超過を招く最大の要因となりました。設立後、高等学校におけるEポートフォリオの普及により、200万人を越える生徒がJAPAN e-Portfolioに連携することができるようになり、大学入試での活用が十分に期待できる環境が整いましたが、高大接続改革における大学入試改革の機運の低下もあり参画大学数は34大学に止まり、財政上も苦しい運営を続けてまいりました。

 

 諸外国に大きく遅れをとっている我が国の教育へのICT活用推進と、我が国の高大接続改革を何とか進めたいとの一心で、一般社団法人の社員となって運営に携わっている先生方、事務局には無給での奉仕をお願いし事業に取り組んで参りましたが、これらの努力もむなしく2019年度3月期決算では債務超過となりました。そこで、2020年度予算において、収支を改善するため、高校、大学の参画を拡大する取り組みを行うほか、各方面のご協力を得ながら財源確保することを計画し、これを社員総会においてご承認を頂き、文部科学省に改善案とともに提出し2020年度の継続運用を強く願い出ておりました。しかしながら、弊機構によるJAPAN e-Portfolioの運営不許可という極めて不本意な結果となりました。

 

 今後、文部科学省は、JAPAN e-Portfolioの商標・商権を同省自体が有し、自ら定めた運用方針、運用許可要件に基づき事実上の許認可事業として運営していることや、弊機構が経営上の資源を確保できなかった根本原因をふまえ、責任をもって、JAPAN e-Portfolio利用者(高校生、高校教員、大学、民間企業)はじめ社会への十分な説明と、期中における運営不許可の決定により生じるJAPAN e-Portfolio利用者の不利益について、文部科学省として十分に対応されるようお願いするところです。

 

 また、2014年の文部科学省中央教育審議会の答申にあるとおり、グローバル化進展、技術革新、国内における生産年齢人口の急減などに伴い、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要とされており、高大接続改革においては、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜を通じて学力の3要素を確実に育成・評価する、三者の一体的な改革を進めることが極めて重要です。

 

 中でも、主体性の評価は、これから始まる高等学校における「主体的、対話的かつ深い学び」や、その成果として涵養される「学びに向かう力」を評価する重要な意義をもっています。その点で大学入学者選抜において、生徒の主体的な学びを評価するためのデータを提供する本事業が、我が国の高大接続改革において極めて重要なものであると認識しております。生徒が学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」を促進するためのポートフォリオの活用と、生徒自らが蓄積したデータを編集して大学入試に活用するJAPAN e-Portfolioのあり方は、COVID-19の感染拡大の影響により明らかとなった教育のICT活用、行政のディジタル化と標準化の必要性が叫ばれるなか、極めて意義の高いものであることは言うまでもありません。

 

 今後、文部科学省がこの高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」の成果と知見を活用し、200万人にまで普及したといわれる高校ポートフォリオのデータを標準化するJAPAN e-Portfolioの仕組みを維持し、喫緊の課題である、生徒の主体性を評価するためのシステム構築と運営主体を設立することを強く期待致します。

                                     以上

 

【重要】「JAPAN e-Portfolio」の運営停止について

 

高校生の皆さんへ、高等学校の先生方へ

 

  平素より一般社団法人教育情報管理機構の運営にご理解を賜り深謝申し上げます。

 

2019年4月1日より文部科学省の運営許可により高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」(以下、「JAPAN e-Portfolio」)を運営して参りましたが、2020年8月7日に文部科学省より一般社団法人教育情報管理機構による「JAPAN e-Portfolio」の運営を取り消しとする旨の通知を受けました。

 

文部科学省ホームページ( https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1413458.htm

 

弊機構の運営が取り消しとなった主な理由は、文部科学省の発表にあるとおり、文部科学省として委託事業において参画していた113大学に対し引き続きの利用を求める形をとらず、ゼロベースでの事業運営としたことから、運営当初からの一定規模の大学数を確保できず、事業運営に制約が生じることとなったためです。また、文部科学省が特段、大学数の増加に係る促進策を講じなかったことから、大学においても「JAPAN e-Portfolio」を入試で活用評価することの理解が進まず、このことにより弊機構が赤字運営を余儀なくされる結果となりました。

 

弊機構としては、各方面のご理解とご協力を得て、2020年度も引き続き「JAPAN e-Portfolio」の運営を継続できるよう鋭意取り組んで参りましたが上記の結果となり、高校生の皆さん、高等学校の先生方の期待に応えることができず断腸の思いです。

 

運営許可の取り消しに伴い、今後必要となる手続きにつきましては、2020年9月10日までの残された期間において、文部科学省と連携の上、皆様にできる限りの対応を行って参ります。

 

「JAPAN e-Portfolio」を利用する高校生の皆さん、高等学校の先生方には多大なご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願いいたします。

お知らせ

2020/07/31

【在宅勤務体制による対応継続のお知らせ】

一般社団法人教育情報管理機構事務局は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在宅勤務体制での業務を継続しております。

お問い合わせにつきましては、info@eimo.or.jpへお願いいたします。ご迷惑をおかけしますが、なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

トピックス

JAPAN e-Portfolioの紹介動画を作成いたしました。こちらからご覧ください。(2020/3/9)

日経BP社から取材をうけました。(2019/9/18)

記事はこちらからご覧ください。